将来のために資産形成を始めようと思ったとき、安定資産として人気のゴールドが気になりますよね。でも、いざ始めようとして純金積立投資や投資信託について調べると、結局どっちがお得なのか迷ってしまうことはありませんか。私自身も投資を始めたばかりの頃は、手数料や税金の仕組みが複雑で、どれを選べばいいのか頭を抱えた経験があります。特に新NISAが始まってからは、制度をうまく活用できるかどうかが将来の資産額に大きく影響しますから、慎重になるのは当然のことです。この記事では、金投資におけるコストの仕組みや税制の違い、それぞれのメリットとデメリットを比較しながら、あなたの目的に合った選択ができるようにお話ししていきます。

- 純金積立と投資信託の手数料やスプレッドによるコスト差がわかる
- 新NISAの成長投資枠を活用した場合の税制メリットを比較できる
- 現物交換の有無や保管リスクなど商品の特性的な違いを理解できる
- 自分の投資目的や資産状況に合わせてどちらを選ぶべきか判断できる
純金積立投資と投資信託はどっちが得かコスト比較
まずは、多くの人が一番気になる「お金」の部分、つまりコストや利益に直結する比較から見ていきましょう。純金積立と投資信託、この二つは似ているようでいて、手数料の取られ方や税金の仕組みが全く異なります。これを知らずに始めると、気づかないうちに手数料で損をしてしまう可能性もあるので、しっかりと確認しておきたいポイントです。
手数料とスプレッドの違いで見るコストの比較
金投資を始めるにあたって、最初に立ちはだかる壁が「コスト」です。実は、ここが純金積立と投資信託の勝負の分かれ目と言っても過言ではありません。
まず純金積立ですが、一般的に購入時に「購入手数料」がかかります。ネット証券だとだいぶ安くなりましたが、それでも購入金額の1.65%〜2.8%程度の手数料がかかることが一般的です。さらに見落としがちなのが「スプレッド」という隠れコストです。これは「買うときの値段」と「売るときの値段」の差額のことで、純金積立の場合はこの差が結構広く設定されています。つまり、買った瞬間にすでに1%〜2%程度のマイナスからのスタートになるイメージですね。
一方で金投資信託(特にインデックスファンドやETF)はどうでしょうか。最近は「ノーロード」といって、購入時の手数料が無料のものが増えています。さらに、保有中にかかる信託報酬も年率0.1%〜0.2%程度の超低コストな商品が登場しています。ETFならスプレッドも市場価格ベースなので、純金積立に比べると圧倒的に狭いです。
コスト最優先で「資産を増やす」ことだけを考えるなら、購入手数料がかからず維持費も安い金投資信託の方が、数字上は圧倒的に有利になります。
新NISAの成長投資枠で買うならどちらか
2024年から始まった新NISA、これを使わない手はありませんよね。ここで重要なのが、「NISA口座で買えるかどうか」という点です。
結論から言うと、純金積立はNISAの対象外です。純金積立は金融商品取引法上の「有価証券」というよりは、貴金属商との継続的な売買契約に近い性質があるため、NISA口座に入れることができません。利益が出たら、必ず税金がかかってしまいます。
対して、金投資信託や金ETFは新NISAの「成長投資枠」の対象です(一部対象外もあり)。NISA口座で購入すれば、売却益にかかる約20%の税金がまるまる非課税になります。これはめちゃくちゃ大きいです。
つみたて投資枠では買えるの?
残念ながら、金投資信託は金融庁が定める「つみたて投資枠」の基準(長期・積立・分散に適した株式インデックスなど)には基本的に当てはまらないため、成長投資枠を使って購入することになります。
所得税や控除など税金面でのメリットと違い
「どっちが得か」を判断するとき、自分の年収や投資スタイルによって正解が変わるのがこの税金の話です。ここがちょっとややこしいのですが、大事なところです。
金投資信託で利益が出た場合は、株と同じ「譲渡所得(申告分離課税)」になります。税率は一律20.315%です。シンプルですね。また、株や他の投資信託で損が出ている場合、それと利益を相殺できる「損益通算」が可能です。
一方、純金積立で金を売って出た利益は、原則として「譲渡所得(総合課税)」になります。ここには「年間50万円の特別控除」という強力なメリットがあります。つまり、年間の利益が50万円以下なら税金がかかりません。
さらに、5年以上保有してから売ると、課税対象額が半分になる優遇措置もあります。ただし、短期で頻繁に売買していると「雑所得」とみなされ、この控除が使えなくなるリスクもあるので注意が必要です。
| 項目 | 金投資信託 | 純金積立 |
|---|---|---|
| 税区分 | 申告分離課税 | 総合課税(譲渡所得) |
| 税率 | 一律 20.315%
(NISAなら0%) |
給与所得等と合算
(累進課税) |
| 特別控除 | なし | 年間50万円まで非課税 |
やめとけと言われる純金積立のデメリット
ネットで検索すると「純金積立はやめとけ」なんて言葉が出てきてドキッとしたことはありませんか。この言葉が出てくる主な理由は、やはり先ほど触れたコストの高さにあります。
純金積立は、購入時に数パーセントの手数料を取られ、さらにスプレッドでも引かれます。金は配当金や利息を生まない資産なので、このマイナス分を埋めるには、金価格自体がしっかり上昇してくれないといけません。「手数料負け」している期間が長くなりやすいため、効率重視の投資家からは敬遠されがちなのです。
注意点
特に月3,000円などの少額積立の場合、一部の貴金属商では手数料の割合が割高になるケースがあります。始めるなら、手数料率が低いネット証券を選ぶのが鉄則です。
楽天証券やSBI証券でのシミュレーション
では、具体的にネット証券大手で積み立てた場合をイメージしてみましょう。楽天証券やSBI証券は、どちらも純金積立と金投資信託の両方を扱っています。
例えば、毎月3万円を積み立てるとします。
純金積立の場合、購入手数料として毎月495円(税込1.65%)が引かれます。年間で約6,000円のコストです。
一方、金投資信託(例えば「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド」など)の場合、購入手数料は0円です。保有中にかかる信託報酬(年率0.1838%程度)は、資産が増えてくるとかかってきますが、初年度のコスト差は歴然です。
10年、20年と続けると、この初期コストと複利効果の差は数万円〜数十万円にも広がります。「増やす」という点では、やはり投資信託に軍配が上がりそうです。
純金積立投資か投資信託かどっちを選ぶべきか診断

ここまでコスト面では投資信託が有利だという話をしてきましたが、それでも純金積立には根強い人気があります。それはなぜでしょうか。ここからは、コスト以外の側面、つまり「現物としての価値」や「リスク管理」の視点から、あなたにとって最適なのはどちらなのかを診断していきましょう。
現物交換ができるメリットと保管のリスク
純金積立の最大の魅力、それはなんと言っても「貯まった金を現物の延べ棒として引き出せる」点にあります(これを現物転換請求権といいます)。
画面上の数字が増えるだけでなく、実際にズッシリと重いゴールドバーを手にする喜び。これは投資信託では絶対に味わえない体験です。「いつかは金の延べ棒を持ちたい」という夢があるなら、純金積立一択です。
ただし、手元に引き出した後は保管のリスクが伴います。自宅に置いておいて盗難に遭うリスクや、紛失するリスクです。貸金庫を借りれば安全ですが、年間数万円の保管料がかかってしまいます。投資信託なら、保管はプロ(信託銀行)がやってくれるので、盗難の心配は無用です。
初心者におすすめの証券会社と口座開設
「とりあえず始めてみたいけど、どこがいいの?」という方には、やはり楽天証券かSBI証券がおすすめです。理由は単純で、手数料が業界最安水準だからです。
- 楽天証券:楽天カードや楽天キャッシュで純金積立の決済ができ、ポイントが貯まるのが強みです。「ポイント投資」で気軽に金を買い足すこともできます。
- SBI証券:こちらも手数料は最安水準。投資信託のラインナップも豊富で、特に低コストな金ファンド(サクっと純金など)が充実しています。
どちらも口座開設は無料ですし、純金積立と投資信託の両方を比較しながら選べるので、まずは口座を持っておいて損はありません。
相続や贈与対策に向いているのはどちらか
将来、資産を家族に残すことを考えたとき、金は面白い特性を持っています。
純金積立(現物引き出し後)は、物理的に分割しやすいのが特徴です。不動産だと分けるのが大変で揉める原因になりますが、金なら「100gのバーを長男に、もう一つを次男に」といった分け方が容易です。また、生前贈与として毎年少しずつ現物を渡すことで、家族に資産の重みを実感してもらいやすいという教育的効果もあります。
一方、投資信託は、現金化が非常にスムーズなので、相続税の支払いに充てやすいというメリットがあります。また、基準価額が明確なので、遺産分割協議の際に価値の計算でもめることが少ないです。
資産防衛として金を持つなら知っておくべき点
「有事の金」という言葉通り、戦争や金融危機、激しいインフレが起きたときの保険として金を持つなら、どちらが良いでしょうか。
究極的な危機、例えば「国が破綻する」「預金封鎖が起きる」といったレベルの事態を想定するなら、手元に置ける現物(純金積立で引き出し)が最強です。電気やインターネットが止まっても、現物の金そのものに価値があるからです。
しかし、そこまでの危機ではなく「円安対策」や「株価暴落時のクッション」として考えるなら、流動性が高くすぐに売買できる金投資信託やETFで十分その役割を果たせます。
純金積立投資と投資信託はどっちが正解かの結論

長くなりましたが、最後に結論をまとめましょう。あなたが何を重視するかで正解は決まります。
こんな人は「金投資信託」が正解!
- とにかくコストを抑えて、効率よく資産を増やしたい人
- 新NISAの非課税枠(成長投資枠)を使いたい人
- 株式投資のヘッジ(守り)としてポートフォリオに入れたい人
- 確定申告を簡単に済ませたい人
こんな人は「純金積立」が正解!
- いつか現物の金(延べ棒やコイン)を手元に欲しい人
- ネット上の数字だけでなく、実物資産の所有権を持ちたい人
- 年間50万円以内の売却益で、税金をゼロにしたい小口投資家
- 金融システムそのものを信用していない、究極の慎重派
私個人の意見としては、「資産形成」が目的なら新NISAで金投資信託を買うのが現代の最適解だと思います。ですが、金の輝きには理屈を超えた魅力があるのも事実。少額から両方を試してみて、自分にしっくりくる方を見つけるのも良いかもしれませんね。
