投資を始めようと決意したものの、ポートフォリオの作り方や投資アプリの選び方に関する情報があふれていて何から手をつければいいのか迷っていませんか。自分でエクセルを使って管理するのが確実なのか、それともiPhoneやAndroidで手軽に使える無料のシミュレーションツールを活用すべきなのか悩みますよね。また、アセットアロケーションの割合を具体的にどう決めるかという初心者ならではの疑問も尽きないものです。この記事では、かつて無謀なトレードで痛い目を見た私が、失敗から学んだ堅実な資産形成のための具体的な手順を整理してお伝えします。

- 資産配分の基礎となるアセットアロケーションとポートフォリオの違い
- 初心者でも失敗しにくい年代別のモデルポートフォリオと具体的な比率
- エクセル管理と最新の投資アプリを使い分けるメリットとデメリット
- 全自動ロボアドバイザーから一括管理アプリまで目的に合わせたツールの選び方
投資アプリを活用したポートフォリオの作り方
資産運用を成功させるためには、いきなり株を買うのではなく、まずは設計図を描くことが何より重要です。ここでは、投資の土台となる考え方から、実際にアプリやツールを使ってどのように設計していくのか、その具体的な手順を解説していきます。
初心者必見のアセットアロケーションの考え方
投資の世界に足を踏み入れると、つい「どの銘柄が儲かるか」ばかりを気にしてしまいがちです。私も昔はそうでした。しかし、長期的な投資成果の大部分を決めるのは、銘柄選びではなく「アセットアロケーション(資産配分)」だと言われています。
アセットアロケーションとは、資金を「国内株式」「外国株式」「債券」「不動産」などの資産クラスに、どのような割合で振り分けるかという戦略のことです。一方でポートフォリオは、その戦略に基づいて選んだ具体的な商品(例えば「トヨタ自動車」や「S&P500の投資信託」など)の組み合わせを指します。
ここがポイント
まずは「どのカゴ(資産クラス)に卵をいくつ盛るか」を決めるのが先決です。具体的な卵(銘柄)を選ぶのはその後で構いません。
初心者のうちは、リスク許容度に応じて、株式と債券の比率を決めるだけでも立派なアセットアロケーションになります。例えば、リスクを少し取れるなら株式多め、守りを固めたいなら債券多めといった具合ですね。
理想的な資産配分の比率をシミュレーション
では、具体的にどのような比率にすればいいのでしょうか。これには正解がなく、自分の年齢や資産状況によって変わってきます。ここで役立つのが、過去のデータに基づいたシミュレーションです。
一般的に、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が採用しているような「国内株・外国株・国内債券・外国債券」をそれぞれ25%ずつ持つ配分は、分散が効いていてバランスが良いとされています。しかし、もっと積極的に資産を増やしたい場合は、株式の比率を高める必要があります。
例えば、私がよく参考にするのは「100 – 年齢 = 株式比率」という簡易的な公式です。30歳なら70%を株式、残り30%を債券や現金にするという考え方ですね。最近の投資アプリでは、簡単な質問に答えるだけで、この理想的な配分を自動で提案してくれる機能がついているものも多く、非常に便利になっています。
エクセルで自作する管理ツールのメリット
「アプリも便利だけど、もっと細かく自分好みに管理したい」という方には、エクセルやGoogleスプレッドシートでの自作がおすすめです。私もいろいろなアプリを使ってきましたが、最終的にはスプレッドシートでの管理に戻ってくることもあります。
自作の最大のメリットは、自由度の高さです。証券会社が対応していないマニアックな資産(例えば暗号資産や不動産クラウドファンディングなど)も、一つの表にまとめて管理できます。また、関数を使えば現在の為替レートを自動取得して円換算したり、目標配分との乖離(ズレ)を自動計算させたりすることも可能です。
Google Finance関数の活用
Googleスプレッドシートなら、=GOOGLEFINANCE("TICKER")という関数を入れるだけで、株価を自動取得できます。これを知ってからは管理が劇的に楽になりました。
無料で使えるおすすめの分析ツール一覧
自分で計算式を組むのが面倒だという場合は、無料で使える分析ツールを活用しましょう。ポートフォリオの「健康診断」をしてくれるようなWebサービスやアプリがいくつか存在します。
例えば、「myINDEX」というサイトは、インデックス投資家の間では定番中の定番です。自分が考えている資産配分を入力すると、過去20年のデータに基づいて、平均リターンやリスク(標準偏差)を算出してくれます。「この配分だとリーマンショック級の暴落でどれくらい損をする可能性があるか」が数字で見えるので、リスクの取りすぎを防ぐための安全装置として非常に優秀です。
また、野村證券のアプリ「Nomura Navigation」や、モーニングスター(現ウエルスアドバイザー)のツールなども、無料で高度な分析機能を提供しています。これらを使い、自分のポートフォリオが偏りすぎていないか定期的にチェックするのが良いでしょう。
年代別モデルで見る最適な資産の組み合わせ
ここで、年代ごとの一般的なポートフォリオのモデルケースを見てみましょう。あくまで目安ですが、ライフステージに合わせたリスク管理の参考にしてください。
| 年代 | 運用方針 | モデル配分例 |
|---|---|---|
| 20代〜30代 | 積極運用 | 株式80%〜90%
(全世界株式や米国株中心) |
| 40代〜50代 | バランス運用 | 株式50%:債券・現金50%
(リスクを徐々に下げる) |
| 60代以降 | 安定運用 | 債券・現金70%:株式30%
(取り崩しを意識) |
若い頃は人的資本(これから稼ぐ力)があるので、多少の暴落があっても回復を待てます。しかし、リタイアが近づくにつれて「守り」を固めないと、いざという時に資産が大きく減って生活設計が狂ってしまう恐れがあります。年齢に合わせて少しずつ中身を入れ替えていく意識が大切ですね。
ポートフォリオの作り方を支援する投資アプリ

理論はわかっても、実際にそれを実行し続けるのは意外と大変です。そこで頼りになるのが、テクノロジーの力です。ここでは、ポートフォリオ構築から日々の管理までをサポートしてくれる便利な投資アプリの種類と選び方をご紹介します。
全自動のロボアドバイザーで運用を任せる
「難しいことは全部お任せしたい」という方には、ロボアドバイザー(ロボアド)が最適です。代表的なサービスとしては「WealthNavi(ウェルスナビ)」などがあります。
これらは、最初にいくつかの質問に答えるだけで、あなたのリスク許容度に合わせた最適なポートフォリオを自動で構築してくれます。それだけでなく、入金すれば自動で買い付けを行い、バランスが崩れたら自動で修正(リバランス)までしてくれます。手数料は年率1%程度かかりますが、手間と時間を買うと考えれば安いものかもしれません。
注意点
すべてお任せになる分、自分で投資知識を身につける機会は減ってしまいます。「投資している実感」が欲しい人には物足りないかもしれません。
NISA対応の管理アプリで非課税枠を活かす
新NISAが始まり、非課税枠をどう使い切るかがポートフォリオ戦略の鍵になっています。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」で別々の商品を買っていると、全体のバランスが見えにくくなりがちです。
楽天証券の「iSPEED」やSBI証券のアプリなどは、NISA口座内の資産状況も見やすく表示してくれます。特に最近のネット証券アプリは、投資信託の保有比率を円グラフで可視化してくれる機能が充実しているので、NISA枠内で「株式」と「債券」のバランスがどうなっているか、スマホ一つで確認できます。NISAは利益が非課税になるので、期待リターンの高い株式ファンドを優先的に割り当てるといった戦略も、アプリで見える化すると立てやすくなりますね。
複数の証券口座を一括管理できるアプリ
投資に慣れてくると、「日本株はA証券、米国株はB証券」のように口座を使い分けることもしばしばあります。そうなると、自分の総資産がいくらで、全体としてどんなポートフォリオになっているのか把握できなくなってしまいます。
そこで活躍するのが、「ロボフォリオ」や「マネーフォワード ME」「カビュウ」といったアグリゲーション(一括管理)アプリです。これらを連携させれば、バラバラの口座情報を自動で集約し、一つの大きなポートフォリオとして表示してくれます。「実は現金比率が低すぎた」「米国株に偏りすぎていた」といった事実に気づけるのは、これらの一括管理アプリのおかげです。
定期的なリバランスでリスクを調整する手順
ポートフォリオを作ったら、それで終わりではありません。運用を続けていると、値上がりした資産の比率が増え、値下がりした資産の比率が減っていきます。これを元の比率に戻す作業を「リバランス」と呼びます。
例えば、株式が大きく値上がりして目標比率を超えた場合、増えた分を売却して、その資金で割安になっている債券を買い増します。これは感情に逆らう行為なので難しいのですが、「高値で売り、安値で買う」を強制的に実行できる非常に合理的な手法です。
松井証券の「投信工房」のように、リバランスを自動、あるいはボタン一つで提案してくれるサービスを使うと、この面倒なメンテナンス作業が劇的に楽になります。
投資アプリでポートフォリオの作り方を最適化

結局のところ、ポートフォリオの作り方に「これさえやれば絶対正解」というものはありません。しかし、自分の頭だけで考えるよりも、便利なアプリやツールを活用したほうが、客観的でミスの少ない運用ができるのは間違いありません。
まずは無料のシミュレーションツールや、各証券会社のポートフォリオ管理画面を触ってみてください。そして、「自分はどの程度のリスクなら夜ぐっすり眠れるか」を探りながら、少しずつ自分だけの最適な配分を見つけていきましょう。かつて1000万円を溶かした私ですが、しっかりとしたポートフォリオを組んでからは、日々の市場変動に一喜一憂することなく、穏やかな気持ちで資産形成ができています。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。投資にはリスクが伴います。最終的な投資決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。また、必要に応じて専門家にご相談されることをおすすめします。

