VOOと投資信託どっちがいい?新NISAでの最適解を徹底比較

S&P500へ投資しようと思ったとき、誰もが一度はぶつかる壁があります。「本家のETFであるVOOを買うべきか、それとも手軽な投資信託を選ぶべきか」という問題です。コストの安さだけで見ればVOOが魅力的に見えますが、実は日本の税制や新NISAの仕組みを深掘りすると、意外な落とし穴や隠れたメリットが見えてきます。私自身も最初は手数料の安さに惹かれてETFを検討しましたが、実際にシミュレーションしてみると、多くの人にとっての最適解は別のところにあることがわかりました。この記事では、私が調べ尽くしたデータをもとに、あなたにとってベストな選択肢を一緒に探っていきたいと思います。

投資信託
  • 表面的な信託報酬だけでなくポイント還元を含めた実質コストの差
  • 配当金の再投資にかかる税金が資産形成に与える長期的な影響
  • 新NISAの非課税枠を最大限に活かすための賢い枠の使い方
  • 将来の取り崩しやすさまで考慮した出口戦略の重要性
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徹底比較!VOOと投資信託はどっちがいい?

まずは、両者のスペックを数字で比較しながら、構造的な違いを整理していきましょう。一見するとVOOの手数料の安さが際立ちますが、私たち日本の投資家にとっては、それ以外の要素がリターンを大きく左右します。

S&P500の利回りと基礎知識

そもそも、VOOもeMAXIS Slim 米国株式などの投資信託も、目指しているゴールは同じ「S&P500指数」への連動です。つまり、中身の投資対象はアメリカを代表する優良企業500社であり、どちらを選んでも期待できる利回り(リターン)自体に差はありません。過去のデータを見ても、S&P500は長期間にならせば年平均で高い成長率を記録してきました。

大きな違いは「乗り物」としての性質です。VOOは株式市場に上場しているため、株価がリアルタイムで変動し、私たちが株を買うのと同じように市場価格で注文を出します。一方、投資信託は1日1回決まる基準価額で取引され、金額指定で購入できるのが特徴です。中身が同じお弁当でも、自分で具材を選んで詰めるか、パッケージされた幕の内弁当を買うかのような違いがありますが、栄養価(リターン)は同じだと思ってください。

実質コストと信託報酬の手数料比較

ここが多くの人が迷う最大のポイントですよね。VOOの経費率(信託報酬)は年率0.03%という驚異的な安さです。対するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は年率0.09%台。数字だけ見ればVOOの圧勝に見えます。

しかし、ここで「隠れコスト」「ポイント還元」を計算に入れると景色が変わります。投資信託には運用報告書にしか載らない隠れコストが多少ありますが、それ以上に大きいのがクレジットカード積立によるポイント還元です。例えば、月5万円を1.0%還元のカードで積み立てれば、年間6,000ポイントが手に入ります。これは実質的にコストをチャラにするどころか、プラスのリターンを最初から受け取っているようなものです。

VOOの0.03%というコスト差を埋めるには巨額の資産が必要ですが、投資信託のポイント還元は少額投資の段階から確実に恩恵を受けられます。

配当金の再投資効率と税金の違い

長期投資で資産を雪だるま式に増やすためのエンジン、それが「複利効果」です。この複利を最大化する上で、配当金の扱いは決定的に重要です。

VOOは年に4回、配当金を出します。受け取れるのは嬉しいですが、そのたびに米国で10%、日本で約20%の税金が引かれます。手元に残るのは配当の約72%です。これを再投資しようとすると、税金分だけ再投資できる元本が減ってしまいます。いわば、雪だるまを転がすたびに、雪を少し削り取られている状態です。

一方、eMAXIS Slimなどの多くの投資信託は「分配金なし」として、ファンド内部で自動的に再投資してくれます。ここでは日本の税金がかからず、ほぼ丸ごと再投資に回されます。税金を払わずに再投資し続けられるため、10年、20年と時間が経つほど、この「税の繰り延べ効果」がボディブローのように効いてきます。

二重課税調整と外国税額控除の罠

「VOOでも確定申告をして外国税額控除を使えば、二重課税分は取り戻せるのでは?」と思った方は鋭いです。確かにその通りですが、これにはかなりの手間がかかりますし、あくまで「所得税から控除」する仕組みなので、自分の所得が少ない場合や、NISA口座で保有している場合は使えないことがあります。

また、2020年から投資信託でも「二重課税調整措置」が始まりましたが、これは分配金を出すタイプの投資信託が対象です。eMAXIS Slimのような無分配型の投信は、そもそも国内課税を発生させていない(先送りしている)ため、二重課税調整の出番はありません。そして結論として、調整して取り戻すよりも、「そもそも課税イベントを発生させずに全額再投資する」ほうが、資産形成スピードは速くなります。

新NISAの成長投資枠はどちらが有利?

2024年から始まった新NISAですが、生涯で使える非課税枠は1,800万円と決まっています。この枠の使い方が勝負を分けます。

もしNISAでVOOを買った場合、配当金は日本の税金は非課税ですが、再投資しようとすると「新しいNISA枠」を使って買い直す必要があります。すでに枠がいっぱいだと、課税口座で再投資するしかありません。これは非常にもったいないことです。

対して投資信託の内部再投資は、私たちのNISA枠を消費しません。基準価額が上がるだけなので、簿価(投資元本)は変わらず、1,800万円の枠の中で効率よく資産を膨らませることができます。新NISAをフル活用して資産最大化を目指すなら、この「枠の再利用問題」を回避できる投資信託に軍配が上がります。

NISA口座でVOOを保有し、配当再投資を行うと貴重な非課税枠を「再投資分」で消費してしまう点に注意が必要です。

目的別診断:VOOと投資信託どっちを選ぶ?

投資信託1

ここまでの話で、理論上は投資信託が有利なことが見えてきましたが、投資の目的は人それぞれです。ライフスタイルや好みによってはVOOが輝く場面もあります。

20年後の資産額シミュレーション

数字で見てみましょう。仮に毎月5万円を20年間、年利5%(配当込み)で運用したとします。投資信託(内部再投資)とETF(配当受取後に手動再投資・税引き後)で比較すると、最終的な資産額には数十万円から百万円単位の差が開く可能性があります。

これは「税の繰り延べ」と「1円単位まで無駄なく再投資できる効率性」の差です。VOOの場合、配当金が入っても1株の価格(現在は数万円)に届かなければ再投資できず、現金のまま遊ばせてしまう期間が発生します。これを「キャッシュドラッグ」と呼びますが、投資信託なら100円から再投資されるため、資金の無駄が一切ありません。

SBI証券や楽天証券での買い方

買いやすさの面でも違いがあります。投資信託は「毎月1日に3万円」と設定すれば、あとは完全にほったらかしでOKです。寝ていても忘れていても勝手に積み上がっていきます。

VOOもSBI証券などでは「定期買付サービス」がありますが、ETFは基本的に「株数」単位での購入です。「毎月3万円分買いたい」と思っても、株価が上がって1株4万円になっていたら買えない月が出てきたり、予算オーバーになったりします。定額での積立設定のしやすさは、圧倒的に投資信託の方が初心者にも優しい設計になっています。

為替手数料とポイント還元の影響

以前はVOOを買うために円をドルに替える際、為替手数料がかかるのが大きなネックでした。しかし、最近はSBI証券の「ゼロ革命」などで、リアルタイム為替手数料が無料になるケースも増えています。これにより、VOO購入のハードルは劇的に下がりました。

ただ、それでも「ポイント還元」の差は埋まりません。クレカ積立で毎月1%のリターンが確定している投資信託に対し、VOOは基本的にクレカ積立の対象外です。為替コストがゼロになっても、「確実に貰えるポイント」というマイナスコストの恩恵を受けられる投資信託の優位性は揺るぎません。

老後の出口戦略と定率売却機能

投資のゴールは「増やすこと」ではなく「使うこと」です。老後に資産を取り崩す際、投資信託には主要ネット証券で使える「定率売却」という最強の機能があります。「毎月、資産の0.3%ずつ自動で売却して現金で振り込む」といった設定が可能です。これにより、資産の寿命を延ばしながら、年金の上乗せ収入を作ることができます。

VOOの場合、自分で市場が開いている時間に売り注文を出さなければなりません。「今月はお金が必要だけど、株価が暴落している…売りたくない」という心理的な葛藤と戦いながら手動で売るのは、高齢になった時にはかなりのストレスになります。

定率売却なら、株価が高い時は少なく売り、安い時は多く売るという調整が自動で行われるため、資産持ちが良くなります。

結論:VOOと投資信託はどっちがおすすめ

投資信託2

最後に私なりの結論をまとめます。もしあなたが「資産形成期の現役世代」で、新NISAを使って効率よく資産を最大化したいなら、迷わずeMAXIS Slim 米国株式などの投資信託をおすすめします。税金の繰り延べ効果、クレカ積立のポイント、そして管理の手間いらずという点で、これ以上の選択肢はありません。

一方で、VOOがおすすめなのは「すでに十分な資産があり、今の生活を豊かにするための定期的な現金収入(配当)が欲しい人」や「自分の手でドル資産を管理したい人」です。配当金が振り込まれる通知を見るのは精神的な安定剤になりますから、それを重視するならVOOも素晴らしい選択肢です。

「voo 投資信託 どっち」で迷ったら、まずは自分が「資産を増やしたい時期」なのか、「資産を使いたい時期」なのかを問いかけてみてください。今の日本の制度をフル活用して資産を増やすなら、投資信託が王道ですよ。

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