「国民からの人気は高いのに、なぜか党内では支持が広がらない」。石破茂首相に対して、このような印象を持つ方は少なくないでしょう。石破茂が嫌われる理由について、インターネット上の知恵袋などでも多くの疑問が飛び交っています。党内では時に強い嫌悪感を持たれ、ダメダメとまで評される一方、世論調査ではなぜ人気が衰えないのでしょうか。彼が貫く正論が原因なのか、政策が夢想家的と見なされるからなのか。そもそも、なぜ選ばれ、なぜ総理になれたのか、そして早くも辞任の噂が立つ背景には何があるのか。専門家が理由は簡単だと語るその核心に迫ります。
この記事を読むことで、以下のポイントが明確になります。
- 石破氏が自民党内で「裏切り者」と見なされる歴史的な経緯
- 国民的人気と党内評価の間に存在するギャップの正体
- 首相就任後の評価やスタンスの変化
- 彼の政策や人間性に対する多角的な分析
石破茂が嫌われる理由とは?党内の評価を解説

- 嫌われる理由は簡単だった?
- 党内に渦巻く強烈な嫌悪感
- 孤立を招いたともいわれる正論
- 知恵袋でも語られる党内での評判
- なぜダメダメと言われるのか
嫌われる理由は簡単だった?
石破茂首相がなぜ党内で好意的に受け入れられないのか、その問いに対して元自民党幹事長の石原伸晃氏は「それは簡単ですよ。選挙3連敗したら普通、恥をかきますよ」と指摘しています。選挙の顔として期待されながら結果を出せなかったことが、直接的な不満の一因となっているようです。
一方で、ジャーナリストの池上彰氏は、より根深い理由として3つの点を挙げています。 一つ目は、過去の離党経験による「裏切り者」というイメージ。二つ目は、自民党内にあっても党の方針に異を唱える「正論」を吐く姿勢。そして三つ目は、派閥政治に馴染まず仲間を積極的に増やそうとしなかった「人付き合い」のスタイルです。これらの要因が複雑に絡み合い、彼の党内での立場を難しくしていると考えられます。
党内に渦巻く強烈な嫌悪感
石破氏に対する党内の複雑な感情の根源には、1993年の離党経験が大きく影響しています。当時、自民党が下野するという最も困難な時期に党を去り、新生党へ参加した経歴が、多くの党関係者にとって「裏切り」と映りました。
自民党には、党への忠誠心を非常に重んじる文化が根付いています。そのため、1997年に復党した後も、一度党を見捨てた人物というレッテルは消えず、常に冷ややかな視線が向けられてきました。総理・総裁の座を目指す上で、この過去の経歴が国会議員からの支持を得にくい最大の障壁となり、長年にわたって彼を苦しめることになったのです。この根深い嫌悪感が、彼の党内における基盤の脆弱さにつながっています。
孤立を招いたともいわれる正論
石破氏の政治家としての姿勢を象徴するのが、自らの信念に基づいた「正論」を貫く点です。特に安全保障などの得意分野において、彼は党の執行部や内閣の方針と異なる意見であっても、臆することなく発信し続けてきました。この態度は、国民からは「正直」「ブレない」と評価され、人気の源泉の一つとなっています。
しかし、多様な意見の調整と妥協によって物事を進める永田町の論理の中では、彼の姿勢はしばしば「和を乱す」「融通が利かない」と見なされてきました。政権運営側からすれば、身内であるはずの石破氏からの批判的な発言は、足並みの乱れを露呈させる厄介なものであり、党内での反発を招く一因となったのです。国民に支持される彼の「正論」が、皮肉にも党内での孤立を深める結果につながった側面は否定できません。
知恵袋でも語られる党内での評判
石破氏の党内での評判を語る上で、安倍晋三元首相との深刻な対立関係は避けて通れません。両者の溝は政策的な違いに留まらず、政治手法や思想の違いから徐々に拡大し、修復不可能なレベルに達していたと言われています。
特に、2018年の自民党総裁選は、その対立を決定的なものにしました。石破氏は「正直、公正」をスローガンに掲げ、森友・加計学園問題などを念頭に安倍政権を厳しく批判する姿勢で臨みました。これは安倍氏側にとって、党内から政権を攻撃する許しがたい行為と映ったのです。
この総裁選以降、安倍氏の強い影響下にあった党内では、石破氏やその側近議員は徹底的に冷遇されることになります。この長年の対立が、彼の党内における支持基盤を著しく狭め、インターネットの知恵袋などで「なぜ嫌われるのか」と疑問が呈されるほどの孤立状況を生み出しました。
なぜダメダメと言われるのか
石破氏が党内で「ダメダメ」とまで酷評されることがある背景には、彼の独特な人間性と政治スタイルが関係しています。多くの議員が夜の会合を重ねて人間関係を構築し、派閥の力を強めていく自民党の伝統的な文化に、彼は馴染もうとしませんでした。
自民党では、選挙の応援やポストの世話など、仲間や後輩に対する「面倒見の良さ」がリーダーの資質として高く評価される傾向があります。しかし、石破氏は派閥の拡大や党内での根回しといった活動に熱心ではなく、会合を早々に切り上げて読書や趣味のプラモデル製作に時間を費やすことを好みました。このような「一匹狼」的な姿勢が、いざという時に彼を支える議員が少ない状況を招き、党内力学の中では力不足と見なされる原因となっているのです。
国民の声は?石破茂が嫌われる理由と人気の謎

- 党内とは逆?国民からなぜ人気か
- 国民の声でなぜ選ばれ総裁になったか
- では一体なぜ総理になれたのか
- 政策は夢想家との批判も
- 早くも囁かれる辞任の可能性
党内とは逆?国民からなぜ人気か
自民党内での厳しい評価とは対照的に、石破氏は国民から一貫して高い人気を維持してきました。各種メディアが実施する「次の首相にふさわしい人物」を問う世論調査では、長年にわたり常に名前が上位に挙がっています。
調査機関・時期 | 候補者 | 支持率 | 順位 |
時事通信 (2024年7月) | 石破茂 | 22.1% | 1位 |
小泉進次郎 | 10.9% | 2位 | |
菅義偉 | 5.2% | 3位 | |
河野太郎 | 5.1% | 4位 |
このように、党内の評価と国民の評価には大きな乖離が見られます。このギャップが生まれる理由は、国民が彼の「正直さ」や、難しい問題から逃げずに自分の言葉で語ろうとする「誠実さ」を評価しているためと考えられます。派閥政治や永田町の論理に染まらない姿勢が、かえって国民の目には新鮮で信頼できると映り、幅広い層からの支持につながっているのです。
国民の声でなぜ選ばれ総裁になったか
前述の通り、石破氏は党内の国会議員からの支持基盤が脆弱であったにもかかわらず、自民党総裁の座を射止めることができました。その最大の原動力となったのが、一般党員や党友による「地方票」と、世論調査で示される圧倒的な国民からの支持でした。
近年の自民党総裁選では、国会議員票だけでなく、地方票の比重も大きくなっています。石破氏は、全国各地での街頭演説や対話集会を地道に重ねることで、一般の党員・党友との関係を築き、その声に耳を傾ける姿勢をアピールし続けました。
党内の論理だけでは抑えきれないほどの国民的な人気が、地方票となって彼の背中を押し、最終的に国会議員の投票行動にも影響を与えました。まさに、国民の声が彼を総裁の地位へと押し上げたと言えるでしょう。
では一体なぜ総理になれたのか
国民と党員からの強い支持を受けて総裁に選出されたことで、石破氏はついに総理大臣の座に就きました。しかし、なぜこれまで何度も涙をのんできた彼が、今回総理になれたのでしょうか。
その背景には、自民党が直面していた深刻な危機感があります。裏金問題などで国民の信頼を大きく損なった自民党にとって、次の選挙を戦うためには、世論の支持が高い「選挙の顔」が必要不可欠でした。党内の反発を押し切ってでも石破氏を総裁に選ばざるを得なかったのは、党を立て直すための最後の切り札として、彼の国民的人気に頼る以外に選択肢がなかったという事情があります。
つまり、党内の力学が大きく変化し、これまで彼を敬遠してきた勢力も、党の存続のためには彼を担がざるを得ない状況に追い込まれたのです。長年の不遇の時代を経て、時代の要請が彼を総理の座へと導いたと考えられます。
政策は夢想家との批判も
石破氏の政策は、安全保障と地方創生が二つの大きな柱です。防衛大臣を歴任した経験から、日本の防衛政策に関する議論では第一人者と目されており、その知見は高く評価されています。現実的な脅威に対応するための法整備の必要性を一貫して訴えてきました。
一方で、彼の政策は専門的でマニアックすぎるあまり、一部からは「夢想家」「軍事オタクの趣味」といった批判を受けることもあります。例えば、彼の安全保障観はタカ派的と見なされることもあり、リベラルな層からの反発を招く可能性があります。
また、アニメやアイドル文化にも造詣が深いといった多趣味な一面は、親しみやすさを生む一方で、その独特な視点が一般の感覚から乖離していると受け取られることもあります。彼の政策が国民全体の幅広いコンセンサスを得られるかは、今後の政権運営における課題の一つです。
早くも囁かれる辞任の可能性
首相就任後、石破氏は難しい政権運営を迫られています。特に、かつて自身が批判してきた首相の専権事項である衆議院の解散権を、就任後間もなく行使したことには「言っていることとやっていることが違う」という厳しい批判が向けられました。
このような首相就任後のスタンスの変化は、彼を支持してきた国民の一部に失望感を与えかねません。さらに、都議選や参院選での敗北を受け、党内からは責任を問う声や退陣を求める圧力が強まっています。
国民的人気を背景に誕生した政権ですが、党内の支持基盤は依然として脆弱です。今後、経済政策などで目に見える成果を出せなければ、党内の反発を抑えきれなくなり、辞任に追い込まれる可能性も常に付きまといます。政権の行方は、まさに綱渡りの状態が続くと見られています。
総括:石破茂が嫌われる理由

この記事では、「石破茂はなぜ嫌われるのか」という疑問について、多角的に掘り下げてきました。最後に、その要点をまとめます。
- 党内で嫌われる最大の理由は過去の離党経験にある
- 自民党が下野した際に党を去ったため「裏切り者」のイメージが定着した
- 安倍晋三元首相との長年の対立が党内での孤立を決定的にした
- 派閥政治を好まず、仲間づくりが不得手な人間性が指摘される
- 自らの信念を貫く「正論」が、党内では「融通が利かない」と見なされた
- これらの要因が複合し、党内で「叩かれる」立場に置かれてきた
- 一方で、国民からの人気は非常に高く、各種世論調査で常に上位に位置する
- 国民は彼の「正直さ」や「誠実さ」を評価している
- この国民人気と党内評価の大きなギャップが、彼の特徴である
- 首相就任後は、過去の発言と矛盾する行動から「変わった」との批判もある
- 選挙での連敗が、党内からの退陣圧力につながっている
- 政策面では安全保障の専門家として知られる
- 軍事やアニメなど多趣味でマニアックな一面も持つ
- その庶民的な素顔が国民からの親近感につながっている可能性がある
- 今後の政権運営は、脆弱な党内基盤をどう乗り越えるかが鍵となる